第4回四国ハンドセラピィ研修会 活動報告                    事務局長 石井 誠二OTR                  

 このたび、平成271122日(日)に高知県の土佐リハビリテーションカレッジにおきまして四国ハンドセラピィ研究会主催の第4回研修会「手のスプリント療法の基礎的理論と実際」を開催いたしました。今回のテーマで取り上げましたスプリント療法は我々セラピストの身近にある治療器具の一つであり、後療法のスパイスとして治療の引き立て役にもなりますし、腱損傷などの時には治療の中核的な主役を演じるツールともなります。今回は作製のための基礎的な座学や疾患各論のほかに、初の試みとして指用スプリントの作製による実技講座を開講しました。

今回の第4回研修会の申し込み総数は86名となり、当日ご参加いただいた74名の内訳につきましては、愛媛県11名、香川県21名、徳島県6名、高知県17名、四国外16名、学生3名と四国内外から多くのご参加をいただきました。ご参加いただいた方の傾向としまして、開催県である高知県の参加者数が例年を上回ることと、中枢などのハンドセラピィ以外の領域で働くセラピストの方のご参加もあり、参加者のバラエティにも幅がありました。他の領域からの参加は、今回のテーマにありました手のスプリント療法が脳卒中等の様々な疾患や治療場面で活用できるのではないかという期待感の表れではないかと捉えております。今後も、運動器疾患のみならず医療の裾野を広くカバーできる研究会として、社会貢献への一助となればと考えております。

当研究会は平成24年に澤田昌宏会長のもと、四国内の有志のセラピストによって設立し、愛媛県から毎年四国を時計回りに巡りながら各県で研修会を通した学術研鑽と人的交流を深めてまいりました。今回でちょうど四国を一巡した形となり、四国内での横のつながりの強化を実感するようになってまいりました。また、研修会に先立ちまして澤田会長からのご挨拶にもありましたが、本会はハンドセラピィの評価・治療を通した学術的研鑽と人的交流、また受講費の一部から寄付金としての社会的貢献の両側面を兼ね備えた研究会としての運営を行っております。皆様もまだ記憶に新しいとは存じますが、今年は非常に勢力の強い大雨を伴う台風の当たり年でした。なかでも、台風第18号に伴う大雨により平成2799日から11日にかけて、関東・東北地方などの広い範囲で人的・物的被害が発生しました。テレビなどでも連日にわたって取り上げられておりましたように大雨により堤防が決壊し、家・土地などの固有財産が流される映像を目の当たりにし、自然災害の恐ろしさを痛感いたしました。そして、災害から数か月経過した今でもなお避難所で苦しい生活を強いられている方がたくさんおられます。本研究会としましては、この災害で被災された方々を支援するため、「平成27年台風第18号等大雨災害義援金」としまして、受講費の一部から日本赤十字社を通して義援金をお送りしたく考えております。今後も、研修会を通して社会へ貢献できる職能団体を理念に会の運営を行ってまいります。

次回の第5回研修会は愛媛県での開催を予定し、日頃の臨床で悩んでいる症例や珍しい症例、自施設での新しい取り組みの紹介など、症例を通して学びを深める「事例検討」的なものを開催してはどうかと考えております。いわゆる学術集会という形式的に畏まった形ではなく、もっと気軽にカジュアルな第5回研修会となればとの認識で役員・世話人一同一致しております。是非、次回は愛媛県で皆様とお会いできることを楽しみにしております。

第3回四国ハンドセラピィ研修会 活動報告                    事務局長 石井 誠二OTR                  

 この度、平成26112日(日)に徳島健祥会福祉専門学校において第3回四国ハンドセラピィ研修会を開催いたしました。当日は天候不良の中、四国四県はもとより中国地方や近畿地方などの四国近県からも多くの療法士の方々のご参加をいただき、合計150名の受講者を迎えて会を盛況に終えることができました。

 今回の研修会では「骨折のハンドセラピィ」をテーマに午前の部は基礎知識を、午後の部は臨床実践を中心に講義を企画いたしました。リピーターの受講生においても継続した知識充足が図れるよう実技・デモンストレーションとして肘の矯正用スプリントの作製実演や肩関節の触察法と治療ポイント、二人一組にて行う手根骨Mobilizationなどの実技の枠も取り入れて第1回研修会の企画内容をアップグレードしてお届けいたしました。研修後のアンケート調査では、午後からの実技・デモンストレーションにおいて「明日から使える舟状骨の運動学的アプローチの体験ができた」や「各種スプリントの作製実技の研修会を開催してほしい」等のご意見ご要望を頂け、開催側としては概ね満足できる研修運営であったと感じております。しかしながら、会場マイク音声の不調とテキスト印刷物の擦れなどのご意見も頂戴しており、これら皆様からの貴重な声を今後の円滑な研修会運営につなげてゆけるよう出来る限り努力してゆく所存でございます。

 また、当研究会はセラピスト同士の学術研鑽や情報交換はもとより、リハビリテーション職能団体として社会貢献も念頭において発足いたしました。昨年と同様に、当会の運営を通して得られた収益の一部を日本赤十字社を通し、東日本大震災によって被災された東北の方々への寄付に充てさせていただきます。また、今年度は四国の隣のエリアである広島県において大雨による土砂災害により多くの尊い命が犠牲になるとともに今なお居住や生活に苦しまれている方々が大勢おられます。研修会当日の定期役員会において、広島大雨土砂災害復興義援金としての寄付が承認されました。当研究会としては、東日本と広島県にそれぞれ復興支援のための義援金を合計10万円お届けすることになっております。これら復興義援金は100%現金支給にて現地にお住いの被災者の皆様へお届けすることになっておりまので、今回ご参加いただきました皆様の受講費より一人約670円の善意を被災地へ寄付させていただきます。当会の趣旨へご理解いただきましてありがとうございました。

 最後にではありますが、今回の講師の先生方をはじめ、運営にご協力いただきました徳島県支部長 住友先生、徳島健祥会福祉専門学校東先生、当日の運営委員の皆様に深謝いたします。来年度は「手のスプリント療法」をテーマに高知県での開催を予定しております。是非、高知の地で皆様にお会いできることを心より楽しみにしております。

第3回四国ハンドセラピィ研修会に参加して           住友別子病院 池田 裕子 OTR

 今回の第3回四国ハンドセラピィ研修会は徳島で開催され「骨折のハンドセラピィ」がテーマでした。

午前中は3名の先生による上肢機能解剖や骨折の合併管理の講義がありました。

 基本的な手指・手関節・前腕・肘関節の解剖について再確認し、骨折後の浮腫や拘縮に対して要因を考え治療を進めることの大切さを学ぶこともできました。

 午後は各骨折に対しての具体的な治療について臨床実践のご講義がありました。石井先生の肘スプリント作製の実技では手際よく、かつ解説もスマートで感動しました。有光先生の拘縮肩の実技では大胸筋・腹直筋の緊張抑制や肩関節の関節包を意識して行う治療手技を学ぶことができました。福田先生の手根骨モビリゼーションの実技では隣の受講生と手を取り合い舟状骨の動きを理解することができました。一日はあっという間に過ぎとても充実した内容の講義で明日からの臨床に活かしていきたいと思いました。


第3回四国ハンドセラピィ研修会に参加して          鴨島病院 島田 聡志 OTR

 今回、第3回四国ハンドセラピィ研修会・懇親会に参加させて頂きました。参加の動機としまして、私の臨床経験は12年目になりますが、今年度より職場が変わったこともあり、今まで臨床経験が少ない骨折や頸椎症性脊髄症の方など、ハンドで関わる機会が増えたことがありました。またその中で、日々の業務で行っている治療の疑問として妥当性や根拠が不明確であることでした。その答えは基礎学習の重要性・継続した技術の日々の研鑽が必要だと感じました。

 研修会では午前中には基礎となる機能解剖に関する講義、午後からは臨床で応用できる実技やスプリントの作成見学、またシカゴで行われているハンドセラピィの日本との違いなどがお聞きできました。日々の業務で考える視点を改める機会となり、充実した研修となりました。懇親会では講師を務められた先生方に日々の疑問や悩み、思いを熱心に親身に適切にアドバイスいただけたことに、本当に感謝いたしております。また徳島に在住していますが、なかなか食べられない名産の料理を皆様と堪能することができたことも嬉しく感じています、本当に有意義な一日となり、実行・運営委員・事務局の先生方に厚く御礼申し上げます。


第2回四国ハンドセラピィ研修会 活動報告          -二年目のジンクス-    事務局長 石井 誠二 OTR

 Wikipediaにて冒頭のタイトルを検索すると、「特にプロ野球の世界では1年目に新人王を獲得したり、大記録などを作って大活躍したルーキーの2年目は成績が悪化するというもの」として解説がなされています。当研修会も、研究会発足後の記念すべき愛媛での第1回研修会は、役員らの当初の予想を遥かに超えて大盛況に会を終えることができました。そのため、今回の第2回研修会の開催に当たっては、この言葉が頭をよぎりました。私自身かねてから物事を大成させるためには、1回目よりも2回目が重要であると考えてきましたので、当院の作業療法課スタッフからなる運営委員一丸となって会の成功へ向けて鋭意準備を進め、当日を迎えました。結果として、申し込み開始当初から180名を超えるお申し込みをいただき、四国内外から第1回研修会を上回る161名の療法士の方々のご参加をいただきました。会場が満員になる様子を見て、運営側としては安堵で胸を撫で下ろすとともに、当会の存在意義についても再認識することができました。

今回の研修会テーマでもあります「手のスプリント療法」は、患者さんの最も身近で治療する我々療法士にとっては、治療上の大きな武器ともなりえます。しかし、その武器は使い方を誤れば諸刃の剣となるかもしれません。明確なリスクマネージメントのもと、安全にかつ効果的なスプリントを提供できるよう、機能解剖学、運動生理や力学的原則に基づいて設計し、作製技術を深めなければなりません。今後もこのような研修会を通し、上肢の整形外科疾患のリハビリテーションにおける知識・技術の向上に寄与できる研究会として邁進したいと考えております。

また、当研究会はセラピスト同士の学術研鑽や情報交換はもとより、リハビリテーション職能団体として社会貢献も念頭において発足いたしました。昨年の第1回研修会と同様に、当会の運営を通して得られた収益の一部を日本赤十字社を通し、東日本大震災によって被災された東北の方々への寄付に充てさせていただきます。復興支援のための義援金の金額は10万円を100%現金支給にて現地にお住いの被災者の皆様へお届けすることになっておりまので、今回ご参加いただきました皆様の受講費より一人約621円の善意を被災地へお届けいたします。当会の趣旨へご理解いただきましてありがとうございました。

次回の第3回研修会は徳島県での開催を予定しております。内容としましては、最新の骨折治療とハンドセラピィをアップデートしてお届けできればと考えております。最後にはなりますが、今後とも四国ハンドセラピィ研究会の活動にご高配を賜りますとともに、より一層のご指導ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

 

第2回四国ハンドセラピィ研修会に参加して           興生総合病院 川辺 啓 OTR

 この度、四国医療専門学校で開催された第2回四国ハンドセラピィ研修会に参加させていただきました。

 今回はスプリントがテーマとなっており、スプリントを作るうえでの基本や各疾患の概論、用いられるスプリントについて講義をしていただきました。四国を代表される先生方が治療にスプリントを用いる際に何を重視し、どのような工夫をされているのか分かりやすくご教授くださり、大変勉強になりました。同時に、自分がこれまで行ってきた治療を見つめ直す機会となり、自分の技術の未熟さや知識の少なさについて反省することができました。

 講義では基本的なスプリントやオリジナリルなものなど様々な装具が紹介されましたが、どれも非常に完成度が高く先生方の熱意がこもっているように感じました。今後、自分も先生方のように治療により有効的で、患者様がつけたくなるようなスプリントを提供できるようより一層努力していきたいと思います。貴重な御講義本当にありがとうございました。

 

 

第2回四国ハンドセラピィ研修会に参加して          香川大学医学部附属病院 亀山 美穂 OTR

 平成25年11月3日に四国医療専門学校で開催された第2回四国ハンドセラピィ研修会へ参加させて頂きました。

 講義内容は、各疾患に対するスプリント療法についてでした。当院でも、日々の臨床で患者様にスプリントを処方する機会が多く、深く学ぶことのできる内容でした。自分自身の知識のなさを痛感すると同時に、今回の研修会で学んだ知識を活かして日々の治療にあたっていかなければいけないと感じました。研修会では、たくさんの動画や画像をもとに説明が行われており、経験年数の少ない私でも非常にわかりやすい内容でした。また、実際にスプリントに触れることで、他院での作成方法を知る事ができました。

最後になりましたが、講義をして頂いた先生方に厚く御礼申し上げます。貴重な御講義ありがとうございました。

 

第1回四国ハンドセラピィ研修会活動報告            -研究会としての第一歩- 事務局長 石井 誠二 OTR

この度は、第1回四国ハンドセラピィ研修会に多くのご参加を賜りまして誠にありがとうございました。参加者の皆様、広報いただきました関係諸団体の皆様、実行委員の皆様のお蔭をもちまして成功裏に研修会を開催できたことを心より感謝申し上げます。

思い起こせば、私自身ハンドセラピストとして駆け出しの頃に澤田先生の論文を読み、四国学会の発表後には福田先生から数々のご指導をいただき、これら四国のハンドセラピィを牽引してこられた偉大な先生方に少しでも追いつきたいという一心で臨床活動や研究活動に取り組んでまいりました。その間に当研究会を支えていただく世話人の先生方とも親交を深めさせていただき、今では同じ想いを共有する小集団を形成するに至りました。四国ハンドセラピィ研究会設立の構想は今を遡ること約一年半前となりますが、突然の依頼にもかかわらず快く会長役をお受けいただいた澤田先生をはじめ、設立趣旨にご賛同いただいた各県支部長および世話人の先生方、そして日々の臨床業務を全面的にバックアップしてくれている総合病院回生病院リハビリテーション部の皆様にはこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。今振り返ると、過去の点と点が結ばれて中国四国地方初のハンドセラピィ研究会として会を立ち上げることができ、これら全ての出会いが必然であったと確信しております。研究会の設立にあたっては役員一同、これまでは個人単位での活動に若干の閉塞感を感じておりましたが、今後は近隣のセラピストが学術的交流を持つことでより一層の治療技術の向上や知識の充足を図ることができ、ひいては地域の方々の医療に少しでも貢献できればと考えております。

今回の研究会発足にはもう一つの契機があります。平成23311日、東北を震源として日本に激震を走らせらせることとなった東日本大震災。災害の少ない四国からは遠く離れた場所ですが、被災され今も苦しんでおられる方々のために何か一つでも支援できることはないか考え、当研究会が主催する学術研修会の開催によって集まった参加費の一部を被災地へ寄付する旨を案内文にも掲載しました。結果として、当初の役員予想を遥かに超える200名程の参加申し込みをいただき、今回の第1回四国ハンドセラピィ研修会からは参加者皆様からいただいた10万円(参加者一人につき約675.6円)を寄付する運びとなりました。これらの復興義援金は日本赤十字社を通し、被災された15の県にお住まいの被災者の方々に100%現金にて支給されることとなります。セラピストとして我々にできることは東北の皆様のご健康をお祈りしつつ、目の前の対象者の方と真摯に向き合いながらリハビリテーション業務へ取り組むことだけだと思います。できることは限られておりますが、今後も研修会事業を通して少しでも東北の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

最後に、澤田会長からのお言葉をお借りすれば、ハンドセラピィに関心のあるセラピストが「共に集い、共に研鑽し、共に創る研究会」として皆様のご協力をいただきながら参加者の意見を反映した研究会運営に努めてまいりたいと思います。

 

今後とも四国ハンドセラピィ研究会の活動にご高配を賜りますとともに、より一層のご指導ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

 

第1回四国ハンドセラピィ研修会に参加して          -総合病院回生病院 作業療法士 神田智明 OTR-

 この度、記念すべき第1回四国ハンドセラピィ研修会に出席させて頂きました。初回ということもあり、澤田先生、住友先生、有光先生、石井先生、福田先生と四国を代表するハンドセラピストの先生方から御講義を頂くことができました。

 講義内容は上肢機能解剖と肩、肘、手関節周囲の骨折の後療法についてでした。機能解剖では、知識の再確認ができただけでなく、新たな知識も得ることができました。同時に自分の機能解剖に関しての知識の少なさを痛感させられました。骨折の各論では、具体的な臨床例を交えながら、先生方が大事にされている評価の視点や治療の際に注意する点等を学ぶことができ、大変参考になりました。

また、講義の後に丁寧に質問に答えていた先生方の姿が、自分の中では印象的でした。このような温かい姿勢で取り組む先生方に知識の面でも人間的な面でも追いつけるよう日々邁進して行こうと思います。貴重な御講義ありがとうございました。

 

第1回四国ハンドセラピィ研修会に参加して          -済生会西条病院 作業療法士 杉野 健作 OTR-

 平成24916日に愛媛十全医療学院で開催された第1回四国ハンドセラピィ研修会へ参加させて頂きました。

 日々の臨床場面における様々な症例を通して自分の行う評価や治療方法を再考するために研修会へ参加しました。講義内容は肘・前腕・手関節・手指の機能解剖から肩・肘・手関節の後療法と深く学ぶことのできる内容でした。日々多く診る骨折症例の機能解剖や、画像を提示した評価についての講義では自身の勉強不足な部分を痛感しました。後療法では実際、講師の先生方が実践されている治療手技を交えて教授して頂き臨床に活かせる貴重な内容でした。

 懇親会では直接講師の先生方や他施設の作業療法士と情報交換することができ研修会以外でも有意義な時間を過ごすことができました。最後になりましたが講義をして頂いた先生方、研修会の運営に携わったスタッフの先生方に厚く御礼申し上げます。